な、なんでズキズキするんだろ?


「でも、その子は賢のことが好きだった」





ー6年前ー



「賢!航!バレー教えて欲しいの!」



いつも会う公園でよく合う女の子と、俺達はよく遊んでた



「いいよな!賢!」


「もちろん」


賢は1つ年上で、大人っぽくてクールな奴で。


俺と顔は激似だった


「ありがとう!

本当、2人ともそっくりだよね!」




俺は最初からその笑顔に惚れてたのに



その笑顔が向けられるのは、賢ばっかり




「ねぇ、航....私、賢のこと好きなんだけどね....応援してくれる?」



「....もちろん!俺ら、友達だろ」


「ありがとう!航!!」



その日から俺は2人をくっつけようと必死だった



だけど、賢には重い病気があった



「航 俺さ、好きなんだよ。


まだ名前も、知らないけど....あの子のこと」


公園にいけないほどやつれた賢が声を枯らしていった言葉



「だから....

お前が 俺 になって」


「どーゆー意味?....」



賢の顔は嘘を言ってる顔じゃなかった




「あの子のこと、守ってよ

どんな嘘ついたっていいから


お前が俺になって....」



そしてつぎの日からずっと、



寝たきり状態になった賢。



「航?賢は....どうしたの?」

俺は、決めた




「賢は俺だよ 何言ってんだよ?」




「え....?」



少し戸惑った顔をして


「ごめんね!間違えちゃって


航は??」



ズキズキしてたのを今でも覚えてる



「....航は、もう居ないんだよ」




それから1か月


俺はその子に 「航」 は居なかったと


存在自体なかったと


唱え続けた




そして、そのこの前で俺は


「賢」になった