でも、少しだけ気になっていることがある



治らかけてた足首のテーピングを見つめて思い出す



航 のこと。



昨日、今日あってないな


クラスでも、先生が遅刻とかいってたし




大丈夫かな....。




「....さん!糸乃さん!!」


「は、はい!!!」


「大丈夫?ボーッとしてたけど」


先生に呼ばれてびっくりした


「すみません。ちょっと考え事してて....」



「あんま、無理しないでね。」


「ありがとうございます」


先生、優しいなぁ



「あ、ちょっと部員がテーピングしたいって言ってたから保健室から救急箱とってきてもらえる?」


「分かりました!行ってきます」



保健室....保健室っと



ガララッ


保健室のドアを開けた



「失礼しま....す」

保険の先生は留守みたい。



救急箱....救急箱




ゴホッゴホッ


ビクッッ


後ろのカーテンの中のベッドから咳が聞こえる


こ、怖い。誰ですか....!?




「あ゛~、いってぇ....」



この声....もしかして


ピシャッ


私はカーテンを開けた



「航!」


「あれ、雪!びくったー....」



体をよいしょと起こして


彼は笑う


「お見舞い来てくれたの?」



ドキッ

「いや、救急箱取りに来たの!」


「否定しなくてもいいだろー」

プクっと頬を膨らませる彼


「どっか怪我したの?」


「左膝 オスグッドやっちゃって」


また彼はいててといって顔を歪ませた



「寝てていいよ!起きない方がいいって....」


私が彼の肩を支えると



バチッ


わすが30センチ先に航の顔


くりっとした瞳と目が合う



「ごめっ....///」


ドキドキドキ


こないだと同じ感覚。



なんでこんなにドキドキしてるんだろ





「....雪、さぁ


優しい嘘をつかれてたら、許せる?」




突然声のトーンが下がって


遠くを見つめながら航がつぶやく



「優しい嘘....かぁ....」

ちょっと考えて答えた


「許すよ 相手が、私のことを思ってついてくれた嘘なら」


「やっぱ、意志強いよな雪」


「そんなことないよ?とゆうか、なんで?」



「ちょっと、ね」



まただ


航の視線の先に遠すぎる何かが映る



「....なんかあるなら話してよ!」


「え?」



「友達でしょ!?」



私の言葉に航はびっくりした顔をして


その後笑った、



「雪、やっぱ面白いわ」



ドキッ


なんでこんなに....優しい笑顔で笑うんだろ?



「小さい頃さ 一歳違いの弟がいてさ

名前は賢。入野賢。


毎日のように、遊んでたんだよ


俺と、賢と、もう一人の女の子で」



少し、涙がにじんでたのは気の所為?




「その女の子は、すごい元気で笑うと見える白い歯が可愛くて

多分、初恋だった 俺の」


ズキッ