あんなにいろいろ女の子が集まって騒いでるのに、彼はどうでも良さそうに窓の外を見ていた。
 
 「あの、桜庭くん…」

 ゆっくり彼はこっちを見る。

 「…何?」

 …なんか。冷たい。

 「桜庭くんって前にこの街に住んでた?」

 「…初めてだよ」

 え。何。今の間。

 「そ…そーだよね!ごめんね!急に変なこと聞いて!」

 あたしはその場を走って逃げた。

 やっぱり、違った。

 ちょっとだけ期待…してたのに。