眉を顰めて彼に問う。 「あなた、名前は?」 さぁ、と 誤魔化す。 「あなたは何を考えているの?」 「君を奪う?」 彼は片方の口角を上げて笑う 「…あなた、悪い人なの?」 「人によっちゃあそうなるよね」 次は面白そうにククッと笑う彼。 テラスから差し込む月明かりが彼の美しい顔を輝かす。