「ロイは私に会う前から知ってたの?」

「…ん」


小さな声は今にも消えてしまいそうで



ごめんね。

ありがとう。


こんなに苦しい声をしてるくらいだから、今までもずっとこんな気持ちで私を連れ去ろうとしていたのでしょう?

ごめんね。




「まだ一カ月は残ってる」

その手を振り払う私ってすごくどうしようもないお姫様ね。




「…でも、姫様は絶対ににげださないもん」


そこまでロイは私の行動が読めるらしい



青黒い瞳には何の希望も見えなかった。