お伽話のお姫様




瞳の中で彼の瞳孔が慌ただしく揺れてみえる。




それが全部知ったことを物語る。





「、、、見なきゃよかったのに」


さっきはあんな笑顔で迎え入れてくれたのに。最後まで見てないフリ通せば良かったのに。




「…ね?早く行こう?僕の名前教えるからさっ!ね?ね??」


苦しそうな掠れた声。




「僕ね、ロイって言うんだよ?ね、教えたから行こうよ」


「ライジェンになったら姫様……」


悔しそうに拳を握りしめる。