「あなた不思議な人ね」 「姫様だってかなり不思議」 「あなたの言うことがよくわからない」 「わからないことが多い方が楽しいんだよ」 この人の伝えたいことが理解できない。 私が、頭をひねっていると ひょいっと、座っていた窓から降りた。 「じゃあ、今日は帰るよ」 一瞬で姿を消す彼。 ひとつ、この一年で変わったことと言えば退屈ではなくなった。