「此処には夢や愛が溢れているけれど、違う国へ行けば戦争だったりいろんな危険があるんだよ」
「戦争…?」
聞きなれない言葉に、彼は頷いた。
「そう。戦争は恐ろしいんだ。沢山の人の命が消えて、沢山の人が悲しむ。戦争だけはしちゃいけないよ。なにがあってもね」
怖いことを淡々と話す彼。けれど、目が真剣で本当に危険な事なんだ。
「小さな危険なんて沢山あるよ。荷物を視界に入らない所に置くと
すぐ盗まれちゃうし。人が多すぎて歩いていると足踏まれる事もあったり。この国は平和すぎて驚きだよ」
"危険"と言っておきながらも、他の国の事を話す時は楽しいことを語るように話している。
「……たのしそうね」
「まあね、危険も多いけど楽しいよ!他の国は怖い所かもしれないけど、僕が姫様を守るからさ、行こう?」
やっぱり誘ってくるのね。
