でもさ…


チェックのプリーツスカートを握りしめながら、私は思い出す。


あ、この制服がかわいかったから、ここの高校を受験したことは内緒ね。




こともあろうに、あの剣人に、一瞬でもときめいてしまった私。


かかかかか、
かっこいい〜なんて目をハートにしてしまった私。



悔しい…


思い出すだけで、そんな自分に嫌悪感。


だって、なんていうか剣人はかわいい弟みたいな存在で…



背だってあんなに高くなかったし。


まぁ、私が中学から全然伸びなかったからなんだけど、私をずっと追い越して180センチくらいはあるんじゃないかな…。


私は相変わらず、チビだしバカだしもてないし彼氏もいないし、…、これ以上言ったら泣いちゃうね…うん。



だから、なんか怖かった。



物心ついた頃から、ずっと一緒だった剣人が…
誰よりもよく知ってるはずの剣人が…


三年の間に、なんだか知らない人になってしまったような気がして。