『私、笑う。』


『うん、笑え。』


『正道は、笑った私を撮って。』


『うん、撮るよ。』


『私、誰かを救えるかなぁ。』


『救えるよ、きっと。』




電車が止まった。

俺達はホームに降りた。

薄い黄色をした月が、俺達を見守っている。

丸に近い形をした、満月に近い月。




『明日の朝、私を撮って。』


『いいよ、撮ろう。』




俺達は改札を出て、そして家路に着いた。