SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~

俺のその言葉に対する、君の返事はなかった。

ちょうどその時、俺の友人達が俺たちに話しかけてきたからだ。




パーティーを終え、俺達は電車に乗り込んだ。

俺は少々酒に酔っていたが、君は酒を飲んでいない。

君に処方されている薬、リスパダールという薬は、酒との相性が悪いからだ。




先程、俺達は、別の路線に乗り換え、友人達と別れた。

車内は混んでいる。




『楽しかったな、しずく。』



『うん。』


君は、うきうきとした弾んだ声を出した。




『私ね、正道といられて幸せだよ。』


『俺もだ。』



電車が止まり、たくさんの人がホームに降り、電車の中は空いてきた。

俺たちは、開かない方の扉へ移動し、もたれかかった。





『正道、顔赤い。』



『そうか?すげー気持ちいい。

帰ってすぐ寝たい。』



『みんな笑顔だったね。』



『ああ。』



『正道の言う通りだね。

歓びって広がるんだね。』




君は嬉しそうに笑う。

カメラに収めたい位の、本当に幸せそうな笑みだった。