SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~

『どうしたらいいの?』




『病院に行くんだ。病気を治すんだ。』




俺は君を車に乗せた。


時間が早いが急患として診てもらえる事を願って。





君はずっと『どうしたらいいの?』と繰り返している。


病院に着くまでの時間が、異常に長く感じられる。


早く君を救ってやりたい。





『大丈夫だからな。大丈夫だからな。』



俺はそう繰り返した。



『救ってやる。お前を救ってやる。』





本当に救ってやれるかなんて、自身がなかった。


・・・・・・でも、言ってやりたかった。


言ってやりたかったんだ。