SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~

君の言っている事は、突拍子もなくて、俺には分かりがたかった。


でも、何だか、君は自分の考えた事が、そのまま、皆に起きる事だと思ってしまっている様だった。





『しずく、しずくが何を考えたとしても、物事が必ずそうなるという訳ではないんだよ。』





君は、俺を見ると、不安げな表情を見せた。





『そうだよね。私にはそんな力ないよね。』





『ないよ。絶対に。

君はただの人間だ。

考えただけじゃ周りは変わらないよ。

行動した時、何かが変わるんだよ。』




『でも、動けない人もいるの。

動けないものもあるの。

祈りが必要なのに。

祈りが必要なのに。』





『しずく、大丈夫か?』




俺は不安になった。


また倒れるんじゃないかと、ひどく不安になった。