SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~

『しずく、そんな風に思っちゃ駄目だ。

そんな事ないから。

そんな事、絶対にないから。』





俺の言葉に、少しだけほっとした様な表情を君は見せた。


君のそんな様子に、俺はほっと一息ついた。





『私ね、分かってあげて欲しかったの。

ひどい事しちゃった人の気持ち。

失敗しちゃった人の気持ち。

辛かったんだって。

辛いからそうなっちゃったんだって。

許してあげて欲しかったの。

辛い気持ち抱えた人の気持ち、分かってあげて欲しかったの。

分かってあげないと、救えないって思ったの。

分かる為には、辛い経験した方がいいって思ったの。

幸せな人も、みんな、辛い経験しなきゃいけないんだって思ったの。

そうやって、幸せな人も、辛い経験させるようにしてしまったの。

他にも救う方法あったかもしれないのに、短絡的に考えてしまったの。』