SHIZUKU ~ 透明な朝露に抱かれて ~

『私ね、きっと私が倒れれば、みんなが幸せになれるんだと思ってたんだと思うな。』



『みんなって?』



『人だけじゃなくって、動物も、植物も、物も、神様も、みーんな。』







君の言葉に、だから4回も倒れたのか、と納得する。


君の心の奥深い所で、自分が倒れることが必要な事だと思い込んでしまったんだ。






『そんな事ないよ。


しずくが倒れたら、俺も、しずくの家族も、しずくの友達も、きっと神様だって悲しむと思うよ。』




俺がそう言うと、君は、『うん』と小さく頷いた。





『そうだよね。今はそう思う。』




俺はしずくを抱きしめた。




『そうだ、だから、もう倒れるな。気を失うな。』


『うん。』





震える様な声で、君は答えた。


身体中に君の体温を感じる。