次の日の夜、朋子から連絡が入った。
「あんた、西島くんとハンナ、喧嘩したんだって。」
「知ってるよ。大した喧嘩じゃないから大丈夫だよ。」
「ハンナ帰って来てから、落ち込んじゃってさ、大変だったわよ。」
「俺も。西島に、先輩は意気地なしだなんて言われちゃったよ。」
「あら、そうなの。」
「俺はお前は獣だって反撃したけどね。」
「なあに、それ。」
「とにかく、二人でもう一回、話し合うように言っといたよ。」
「そう。それより、社長があんたに会いたがってんのよ。なんでも話して置きたいことがあるってさ。」
「ハンナはもう社長に話したの、妊娠したこと。」
「まだよ。でもね、妊娠に気付いて以来、ハンナは体調不良を理由にして、仕事ずっと出ないから、マネージャーが勘付いてね。社長にチクったんじゃないの?あたし達は口を割らないもの、絶対に。」
「俺に話って、なんだろうな。」
 僕は早速、社長に会いに店へ行った。