遡ること、中学3年生の冬。
「深月ー、忘れ物は無いようにしなさいよー」
階下からの、お母さんの声に分かったーと返事をしながら、もう一度持ち物の確認をする。今日は、高校の入試日。
(受験票、シャーペン…消しゴム…っよしOK!)
3回の確認を終え、玄関へとおりて行く。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!深月なら大丈夫よ!」
お母さんの声を背に、私は家を出た。
冷たい空気が、一気に体に入ってくる。
少し緊張しながら、駅へと急ぐ。
時間が無いわけじゃないけど、少し早足で歩いていると、緊張のせいか、お腹が痛くなってきた。
最初はそんなでもなかったけれど、駅に着く頃には、立つのも辛いほどになり、仕方なく、ベンチに座り込む羽目になってしまった。
どうして、わざわざ入試日に…、最悪だなー。と嘆いてると…
「大丈夫?顔色すごい悪いよ?」
頭上から声がした。
顔を上げると、私がこれから受ける高校の制服を着た男子生徒が立っている。
パッと見た印象は、いろんな人に好かれそうな顔。一言でイケメンといったところ。
駅でうずくまっている知らない人に声をかけるという行動から、性格もいいのかなと勝手に推測する。
「いえ、少しお腹が痛いだけなんで、大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。」
そう私が言うと、男子生徒は、心配そうな顔をしながら、改札の方へと歩いてうった。
その背中を少しだけ見送り、時刻を確認しようと鞄からケータイを出す。
見ると、7時30分と表示されている。
集合時間は8時だから後30分しかない。ギリギリ間に合うかどうかだ。
行かなくちゃと腰を上げかけたとき、先ほどの男子生徒が「ハイ」とミネラルウォーターのボトルと腹痛薬を私に突き出した。
コンビニで買ってきてくれたらしい。
私は少し驚きながら、受け取った。
「ありがとうございます。おいくらでしたか?」
「いいよ、それくらい。
あのさ、もしかしたらだけど、これから受験??」
「え?何で分かったんですか?」
「いや、俺の高校も今日受験日だからさ」
「東高校を受ける予定です…」
「え!俺と同じじゃん。もしかして、最初から気付いてた?」
「はい……。」
「深月ー、忘れ物は無いようにしなさいよー」
階下からの、お母さんの声に分かったーと返事をしながら、もう一度持ち物の確認をする。今日は、高校の入試日。
(受験票、シャーペン…消しゴム…っよしOK!)
3回の確認を終え、玄関へとおりて行く。
「行ってきます!」
「行ってらっしゃい!深月なら大丈夫よ!」
お母さんの声を背に、私は家を出た。
冷たい空気が、一気に体に入ってくる。
少し緊張しながら、駅へと急ぐ。
時間が無いわけじゃないけど、少し早足で歩いていると、緊張のせいか、お腹が痛くなってきた。
最初はそんなでもなかったけれど、駅に着く頃には、立つのも辛いほどになり、仕方なく、ベンチに座り込む羽目になってしまった。
どうして、わざわざ入試日に…、最悪だなー。と嘆いてると…
「大丈夫?顔色すごい悪いよ?」
頭上から声がした。
顔を上げると、私がこれから受ける高校の制服を着た男子生徒が立っている。
パッと見た印象は、いろんな人に好かれそうな顔。一言でイケメンといったところ。
駅でうずくまっている知らない人に声をかけるという行動から、性格もいいのかなと勝手に推測する。
「いえ、少しお腹が痛いだけなんで、大丈夫です。心配してくれてありがとうございます。」
そう私が言うと、男子生徒は、心配そうな顔をしながら、改札の方へと歩いてうった。
その背中を少しだけ見送り、時刻を確認しようと鞄からケータイを出す。
見ると、7時30分と表示されている。
集合時間は8時だから後30分しかない。ギリギリ間に合うかどうかだ。
行かなくちゃと腰を上げかけたとき、先ほどの男子生徒が「ハイ」とミネラルウォーターのボトルと腹痛薬を私に突き出した。
コンビニで買ってきてくれたらしい。
私は少し驚きながら、受け取った。
「ありがとうございます。おいくらでしたか?」
「いいよ、それくらい。
あのさ、もしかしたらだけど、これから受験??」
「え?何で分かったんですか?」
「いや、俺の高校も今日受験日だからさ」
「東高校を受ける予定です…」
「え!俺と同じじゃん。もしかして、最初から気付いてた?」
「はい……。」