震える指先を画面に触れさせた。
『さようなら』
それは、たった五文字のくせに意味は大きすぎて全てを終わらせるのだと思うとなかなか送信ボタンを押すことができなかった。
何度も悩み何度も考えた末、今、自分の指は送信ボタンを押していた。
画面に表示される『送信完了』の文字。
たった3ヶ月間の恋愛はそれで終わってしまった。
ベッドの上に身を放り投げると長い髪が顔にかかり鬱陶しく感じる。
ただロングが好きだと言っていた、その理由で伸ばした髪。
「付き合ったのは、3ヶ月でも恋はもっと長かったよ。」
誰に言うわけでもなく声に出すと吹っ切れたように涙が溢れた。
頬を流れ髪に触れた。
携帯が何度か震える。
メールを見て驚いて返信をしてきたのならまだ良かった。
目だけを向け視界に入った画面には、メルマガのアドレスが表示されている。
現実はそんなに甘くない。

さようなら、五文字で終わった短い恋だった。