「……売り場、戻らなきゃ」
迷惑をかけたばかりで戻りにくいですが
溝端さんを一目見れて充電完了です。
わたしは従業員通用口に向かって
大きく一歩踏み出しました。
気を取り直して、お仕事です。
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〜〜〜♪♫♩
「はい」
『あ、なにしてんの?』
電話が鳴り、出ると也季でした。
「仕事帰り」
『あ、まじ?あのさ、いま地元で
飲んでるんだけどこれる?』
電話の向こうの喧騒と也季の言葉に
思わず顔をしかめてしまいました。
疲れているし、明日も仕事だし……。
よりによって今日は適当な服を
着てきてしまったし。
だいたい、也季の地元の人たちがいる
飲み会なんて行きたくありません。
絶対に終電でなんか帰らせて
もらえないこと確実です。
「ごめん、わたし明日も仕事だし」
なるべく低い声を出して答えましたが、
お酒が入って気が大きくなっている彼。
案の定、言い返してきました。
『いやおれも明日バイトだし。
煌多も仕事あるし。一緒じゃん』
「…それは知らないけど、わたし今日は
早く寝たいの。明日早めに出勤したいし」
『終電で帰ればいいじゃん』
「煌多くんたちと飲みに行って
終電乗れたことないもん」
『そこはおれが言っとくから。
ノリ悪りいな。こいって』
「ごめんノリ悪いとかじゃなくて
わたしは明日に備えて早く寝たいって
言ってるのね。わたし間違ってる?」
『だから終電で帰ればいいじゃんって。
何回言わせんだよ。頭悪りいな』
「…………………」
