とりあえず。






わたしは一度ぎゅっと目を瞑り、
振り向いてカウンターに向かいます。


「工藤さん」


カウンターで書きものをしていた
工藤さんはぱっと顔を上げ微笑みました。


「稲葉。練習あるのみだよ。
気にしないで頑張りなさい」


ね?と頭を撫でられ、
わたしはくちびるを噛みました。


「いつもほんとにすみません……。
頑張ります……」


「うん。だいじょうぶだよ。
だってあんたまだ入社して1か月だよ。
いまは努力を見られるときなんだから」


「…………はい」


「落ち込んでる暇があるなら
ごみ捨ててくるなりしたら?
やることは自分で見つけなさいよ」