これじゃ
歩と同じクラスになっても意味ないな・・・
教室の窓に寄りかかり
小さくため息。
教室全体を見渡し
なんだか不安になる。
上手くやっていけるのだろうか。
「俺さ、てっきり君たち
付き合ってんのかと思ってたよ。」
「へ・・・!?」
いきなりかけられた
歩の声ではない
男の子の声。
いつからいたのか
隣で私と同じように窓に寄りかかる
爽やかな笑顔の男の子。
彼の視線の先には歩で
すぐに質問の意味を理解した。
「あ、あぁ、違う違う。
幼なじみっていうか
兄妹みたいな関係っいうか・・・
そんな感じなだけ。」
「ふぅん。ベタな関係だね。
俺、新藤遼(シンドウ リョウ)。
よろしく!」
じ、自分から質問しといて・・・
なんて興味がなさそうなんだ・・・
「私は、上田愛梨。よろしく。」


