青い記憶









しばらくして

歩のお母さんとお父さん
私のお父さんが

医師の話を聞き終えたらしく
病室に入ってきた。


その時の3人の顔が穏やかで

とてもほっとした。



「歩、大丈夫なんだね?」

確認するように静かに尋ねる。

「あぁ、命に別状はないって。」


それを聞いた私と誠也は
泣きながら抱きしめ合い

よかった、よかった

って、心から安堵した。



歩が目覚めたらなんて言ってやろう

心配させるな馬鹿!

私と誠也の涙返しなさいよ!
なんてね笑


心配しすぎておかしくなりそうだったよ

昨日は素直じゃなくてごめんね

本当は歩とずっと一緒にいたいんだよ

好きなんだよ


なんて、言ってしまおうかな?

もう、私達の距離感とかこの微妙な関係とか
そういうの全部含めて私達なんだし

ふられてしまってもかまわない

今回の事で私の中での歩の大きさが
わかったよ。

目が覚めたら伝えるね、本当の気持ち。


私達は病室で静かに歩の目覚めを
心待ちにしたのだった。