私達の家は目の前が大通りに
なっている。
と、言っても、車はあまり通る事はなく
車が通るのは住宅街の人が車を出し入れする時くらいなのだけれど。
1本のみちから2本に枝分かれした
Yの字の道の間に挟まれたのが
私達の家。
だから、枝分かれするところで
いつもバイバイをする。
「じゃあ、また明日ね」
「・・・おう」
今日の晩御飯は何だろう
なんて気の抜けた事を考えて歩き始めた私を歩は止めた。
「愛梨!
・・・やっぱ、今日、家まで送ってくよ。」
「え?いいよ、すぐそこだし
送るも何も・・・」
「送るったら送るんだ」
時々、変なところで歩は頑固になる。
まぁ、言わなければいけない事もあるし
「わかったよ」
そうしてもらおう。
「・・・。」
特に話す事ないくせに。変なの。
私がなんか話せってこと?
仕方、ないなぁ・・・
別に今日言わなくてもいい事かもしれない。いや、これからずっと言わなくてもいい事かもしれない。
でもね、私、
「・・・ねぇ、歩」
そんな強くないみたい。
「ん?」
「もう、こうやって、
一緒に行動するの止めない?」
「・・・は?」
立ち止まった歩むの顔は
今までに見たことがないくらい
真ん丸に見開いてた。


