電車に揺られながら
朝みたのとは逆に流れていく景色を
窓越しに眺めていた。
珍しく無口な歩に目をやると
目が合った。
「な、何よ」
「いや、なんか・・・」
私の事をジロジロみ始めて
私はどうしたらいいものか・・・
恥ずかしいったらない。
「愛梨、大人になったなー」
「は?」
「中学ん時は、おさげでメイクもしてなくて
もっと、こう、幼かった気がするなぁ」
そんな事か笑
髪はおろしただけだし
メイクって言ってもそんな大袈裟な
ものじゃない。
グロスをぬって、眉毛かいたくらいだよ笑
「そうかなぁ・・・。
私より、歩の方が身長とか・・・」
かっこよさとか
「もう色々大人になってて。
おいてかないでよね、まったく」
「身長しか大人になった事ないじゃん。
色々で全部ごまかそうとしたろー!」
「そんなことないって!」
あぁ、こんな風にずっと笑い合っていたいな。
でも、そうはいかないな。
大人にならなきゃなぁ。


