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スーパーで買い物をして帰って来てすぐに寝室を覗くと、彼は寝息を立てて眠っていた。
その表情が穏やかなことに少し安心して、そっとドアを閉めるとキッチンへ行き夕食の準備を始めた。
何を作るか迷ったが、とりあえず脂っぽいものは避けて和食にすることにした。
料理は、昔から母の隣に立って手伝いをしてきたから自信がある。
夕食を作り終えると、寝室に入りよく眠っている彼をベッドにもたれながら見ていた。
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「わかりました。失礼します」
頭の上から聞こえる柔かな声で目を開けたが、その声でさえ心地よく、私は再び目を閉じた。

