White Magic ~俺様ドクターの魔法~

「お薬飲みましたか?」


テーブルを拭きながら聞くと、「うん」と頷きながら、少しうとうとと眠そうだった。


「眠いんでしょ?」


後ろのソファにもたれかかるようにして半分眠っているのに、「大丈夫」と強がる子どもみたいな姿に笑みがこぼれた。



「はいはい、早く立って。寝室で寝てください」


ねむけまなこの先生を立たせて、背中を押し半ば強引にベッドに寝かした。


「ちゃんと寝てくださいね」


腰に手をあてて、子どもに言いきかすように言うと、おとなしくすると思いきや、その時彼から出てきた言葉と表情に胸が苦しくなった。


「嫌や」



振り返り、私を睨むような目つきでそう言ったかと思うとすぐに自信なさ気に溜息をついた。



「・・・・・・」


ただでさえ静かな部屋は、一層静かに感じた。