******
「ごちそうさま」
全て食べ終えた先生は、満足そうに笑い、「ありがとう」と柔かな表情を見せてくれた。
「いいえ、あっ、お薬を飲んでくださいね」
キッチンへ行き、コップに水を汲むと、先生が座っているローテーブルに差し出した。
「これ、飲んだら、また寝てくださいね」
「あぁ」
彼の返事を聞くと、私はキッチンで洗い物をし始めた。
まあ、洗うものと言っても、茶碗とお椀とコップと箸くらいだからすぐに終わってしまう。
茶碗をふきんで拭きながら、これからどうするかを考えた。
もう少し、休ませてあげないとな・・・・・・。
食事に行った時に聞いた仕事の話。
月火木金は、大学病院での仕事。水曜日はうちの病院へ来てくれている。
そして、土日も大学での当番か他の個人病院の当直が入ったりもする。
もちろん、平日も当直が入ったりすることがある。
―――休みは?
不規則ではあるが、週休2日が当たり前となっている私にとって先生の仕事量は、想像ができなかった。
でも・・・・・・こんなに毎日働いていたら、ストレスも溜まるだろう。
そして、看護師を相手にして、イライラするのも当然だ。
そして、久しぶりの休みだというのに、こうやって体調を崩してしまうなんて、なんて貧乏くじを引く人なんだろう。

