「瞬さん・・・・・行ってあげて、おばあ様の所に」
そうおばあ様の所に行ってあげないと・・・・・・きっと瞬さんに会いたいはず。
その時、私の背後から視線を感じた。
恐るおそる振り返り、部屋の隅を見ると、一人の女性が立っていた。
ベージュのワンピースに身を包み、にっこりと笑う80代くらいの少し腰の曲がったおばあさん。
白髪がとても上品で、お化粧もきれいにされている。
「どうした?」
私の行動に疑問を感じた彼は、私に尋ねたが、私はどう答えていいのか分からなかった。
部屋の隅におばあさんが立っているなんて信じてくれないよね?
私は昔から、霊感がある。
と言っても、霊なら何でも見えるわけではない。
特に思い入れが強い人物が亡くなった数時間後に見えることがある。
そして、その人の言葉を受け取ることができる。
そして、今、ここにいるのは・・・・・・きっと瞬さんのおばあ様だ・・・・・・。

