「ご、ごめんなさいっ…私のせいで、霧島さんをっ…」
さっきまでのフワフワとした高揚感など何処へやら。染谷の捨て台詞に志保は顔面蒼白になりながら隼人へと頭を下げる。
だがその直後、両肩に置かれた手によってグッと体を引き起こされた。
「霧島さ…」
「謝らなくていい。そもそもあなたは何も悪くない」
真っ正面、しかも至近距離にある強い眼差しに思わず息を呑む。
「で、でも…」
「彼の言ってることも全てが間違っているわけではない。確かにあなたの置かれた環境を思えば私は不相応と言わざるをえないでしょうから」
「そんなことっ!!」
「でも私の言ったことも間違ってはいないと思ってますよ」
「……え?」
意味がわからないとばかりに首を傾げる志保に隼人がフッと目を細める。
「私は私の人生に誇りをもって生きている。他人からどう見られようと構わない。こんな私でも構わないとあなたが言ってくれるのならば…私はどんな努力でも惜しまない」
「霧島さん…」

