「いいなぁ…」 気が付けばぽつりと呟いていた。 気持ちを紛らわせるように肉まんを一口口に含むとたちまち口の中に肉汁が広がっていく。 「おいしい…」 口では笑いながら何故か涙が零れていた。 この涙はなんなのか。 自分は寂しいのだろうか。悲しいのだろうか。 よくわからない。 けれどもどうしてだが胸が苦しい… 志保は次々と肉まんを口にしながら泣き続けた。