いつかあなたに還るまで


「ん…」

案の定、眠り姫の瞼がぴくりと動いて持ち上がっていく。


「あっ、ママっ! あのね、さっきのんちゃんが僕に笑ってくれたんだよ! すごいでしょ!」
「……そっか。湊、すごいねぇ~!」
「えへへへへーーっ」

一瞬状況が掴めなかった志保も、息子の弾けんばかりの笑顔につられるように破顔すると、そんな我が子の頬を愛おしげに撫でた。

「あ…眠っちゃってごめんなさい」
「全然構わないよ。体はきつくないか?」
「はい。隼人さんの膝枕が気持ち良すぎて、ぐっすり眠っちゃった」
「志保のためならいつでもどこでも貸すよ」
「ふふっ、ありがとうございます」

ゆっくりと抱き起こしてそのまま頭や髪を優しく撫で続けていたら、どこからか凄まじい視線を感じてハッと我に返る。
振り返れば、そんな父親の姿を凝視している我が子がいた。

「あ。僕のことは気にしないでもっとラブラブしていいよ!」
「らっ…?! どこでそんな言葉を…!」
「ん? だっていつも宮間が言ってるよ? パパとママは昔っからラブラブなんだって」
「宮間が?!」

いつの間にそんなことを…!