いつかあなたに還るまで


「…あっ、動いた! パパ、動いたよ!」

ぽこっと頬に当たった確かな感触に、キラキラに目を輝かせて大興奮している。
しーっと指を口に当てながらも、そんな息子が可愛くてたまらない。

「いつ生まれるかなぁ。早く会いたいなぁ」
「湊ももうすぐお兄ちゃんになるんだもんなぁ。ちゃんと仲良くしてくれるか?」
「もっちろんだよ! 僕絶対に可愛がるんだぁ! 男の子かな、女の子かな? どっちでもいいけどどっちも欲しいなぁ! ママ、二人いっぺんに生んでくれたらいいのに!」
「ははは、それはちょっとママは大変だなぁ」

どちらが生まれるかは会えるその瞬間までのお楽しみだ。

「湊は希美ちゃんのお世話も上手だもんな。いいお兄ちゃんになるよ」
「あっ、そうそう! のんちゃんね、さっき僕に笑ってくれたんだよ!」
「へぇ~、そうなのか?」
「うんっ! こうね、僕がのんちゃんの頭をいいこいいこってしたらね、のんちゃんが手足をバタバタさせながらにこーって、こんな風に笑ってくれたの!」

身振り手振りを交えながら一生懸命説明する姿に、隼人の眉尻は下がりっぱなしだ。自分よりも志保の面影が強い息子ともなれば、その可愛さは尚更のこと。

絶対に素敵な父親になると確信していた志保ですら驚くほどの子煩悩っぷりだ。