いつかあなたに還るまで



生まれてきた愛する我が子を、隼人も志保も喜びに頬を濡らしながら笑顔で迎え入れた。

その後両親はもちろん、祖父や宮間をはじめとしたたくさんの人々の愛情を注がれながら、その子はすくすくと成長していく。


そうして月日は瞬く間に流れ____





「ママぁーーーーーーっ!!!」





ドタドタと廊下から聞こえてくる音が確実に大きくなっている。

「ママっ、聞いてっ! のんちゃんが僕に笑ってくれたんだよ! すご___」

やがてバァンッ!と凄まじい音と共に現れた我が子に、隼人は声を出さずに人差し指を唇に当てて語りかけた。
ハッとした男の子が慌てて両手で自分の口を覆う。
その仕草がなんとも愛らしくて、隼人の瞳がゆるりと弧を描いた。

「…ママ、寝ちゃったの?」
「うん。ついさっきね」
「疲れちゃったのかなぁ?」
「そうだね。だいぶお腹が大きくなってきたからね」
「そっかぁ…」

ちょっぴり残念そうにしながらも、隼人の膝に凭れてすやすやと眠る母の隣に腰を下ろすと、男の子は大きくなったお腹にそーっと自分の耳を押し当てた。