「…どれだけ惚れ直すかわからないな」
「え?」
はぁっと息を吐くと、苦笑いしながらこつんと額をぶつける。
「こんな時ですら最初に出てくるのが『ありがとう』だなんて…。志保は一体どれだけ俺を骨抜きにすれば気が済むんだ?」
「…えっ?! そ、そんなつもりは、全然っ…!」
「うん。そんな志保だから惚れ直すんだよ。結婚してからもう何度惚れ直したかわからないくらいに、もっともっと志保を好きになっていく。人を愛おしいと思うのに際限はないんだってことを、自分でも驚くほどに毎日実感してる」
「隼人さん…」
「愛してるよ」
言葉と共に優しいキスが降ってくる。
「私も…愛してます」
気がつけばその言葉を口にすることに躊躇う自分はいなくなっていて。
自然と目を閉じてそれを受けとめている自分がいて。
そうして日一日と、共にいられることが当たり前になっていく。
「一緒にこの子が生まれてくる瞬間を迎えよう」
「…はい」
その幸せを噛みしめながら、志保は目を閉じてそっと大きな胸に身を預けた。

