彼の言わんとすることを理解した直後、ざぁっと志保の顔から色が消えていく。
「あ…あ…」
顔面蒼白になってカタカタを全身を震わせ始めた志保の両肩を掴むと、隼人は覗き込みながら違う、そうじゃないと強く首を振った。
「勘違いしないでほしい。俺は君を責めたいんじゃない。むしろ自分の愚かさを責め続けてるんだ。どうしてあの時気付いてやれなかったのか。どうして君を利用しようだなんて思ったのか。どうして復讐に生きようだなんて思ったのか。考えれば考えるほど出口が見えなくなって、自分の犯した罪に何度も何度も押し潰されそうになった。けどそうやって自分を責め続けたところで何の慰めにもならないってことに気付いたんだ。…その全てを背負った上で君と向き合って初めて、俺は君に償うことが出来るんだってことにも」
「……え…?」
償う…?
誰が、誰に…?
「志保は何一つ悪くなんてない。全ては俺が、自分の欲のために無関係な人間を巻き込んでしまったせいで引き起こした悲劇だ。志保にはそれを責める権利がある」
「そ、んな、私はっ…!」
「わかってる。志保は志保で自分を責めてるってことも。そうして俺たちはいつだって同じ事を考えて苦しんでる」
「同じ、こと…?」
虚を突かれたような志保に、隼人がコクンと強く頷く。
「俺は志保が悪いだなんて何一つ思っちゃいない。そんなこと考えたことすらない。全ての責任は俺にある。…じゃあ志保はどうなんだ? 俺と同じ事を考えて、自分には幸せになる権利なんかないんだって諦めてるんじゃないのか?」
「そ、れは____」
何も言い返せなかった。
一言一句、その通りだったから。

