いつかあなたに還るまで



「_______え…?」

たったその一文字を発するだけに、一体どれだけの時間がかかったのだろうか。

な…に…? 何が、起こってるの…?
こんなことが…あるはずがない。
これは夢だ。幻だ。

こんなこと、あるはずが_____


「 志保 」


唐突に掌に感じた熱にパチンと弾けたように我に返る。
見ればいつの間に近づいていたのか、その人はすぐ目の前に立っていた。
そうして大きな手が自分のそれを包み込むようにして握りしめていた。

自分でも気付かない間にカタカタと震えていた、その手を。
絶対に離さないと言わんばかりに、強く、強く。

「___志保。どんな言葉を並べても、俺が君を深く傷つけたという事実は消せはしない。こんな男は君には相応しくないのもわかってる。…それでも、どうしても、どうやっても。俺という人間には君が必要なんだ。…志保を愛してる。…違う、愛してるなんて言葉じゃとても足らない。過去の過ちは一生をかけて償っていく。そして必ず君を幸せにすると誓う。だから…」

ドッドッドッと壊れそうなほどの鼓動は一体どちらのものなのか。
繋がれた手から燃えるような熱が流れ込んできて、自分の中へと溶けていく。


「 ___俺と結婚してくれないか 」


今度こそはっきりとこの耳に届いた言葉に、くらっと目眩がした。