「『泣けるときはいくらでも泣けばいい。そうして全部吐き出したら、きっといつか前に進もうと思える日が来る』」
「……え?」
いきなり何をわけのわからないことを…と思ったのも束の間、小骨が引っかかったような違和感を覚える。
…そう、まるでどこかで聞いたことがあるような。
いや、どこかで『言ったこと』があるような____
その時、遥か遠くに消え去っていた断片的な記憶が脳裏を掠めた。
「まさ、か____? …いや、だってあれは、女じゃなくて____」
頭をくしゃくしゃにして混乱する隼人に、宮間がフッと表情を緩めて大きく頷く。
「あの時の少年に見えたのが他でもない志保様だったんですよ」
「…!!」
まさかそんなことが。
そう思っても、このハンカチがここにあるということは紛れもない事実だということ。
まさかあの時の人物が志保だったなんて____

