いつかあなたに還るまで


「…お医者様の言う通り、どうやっても流産は避けられなかったことなのでしょう。誰が悪いわけでもないんだとわかってはいるんです。…それでも、私達人間は感情のある生き物ですから。あの時こうしていれば、ああしていればと悔やまずにはいられない。志保様はもっと自分の体を大事にしていればと自分を責め、……そして私も」

そこで言葉を切ると、絶望的な顔で自分を見ている隼人へと視線を戻す。

「…あの日、あの方がどんな目的をもって志保様に会いに来たのかなどわかっていたのに。志保様が妊娠しているであろうことも、体調が優れないことも、私は全て気付いていたのに。…それなのに、そのまま引き合わせてしまう選択をした。その選択こそが取り返しのつかない事態を引き起こしてしまったのだと、後悔しない日はありません」
「…!」

つまり、里香子が志保に会いにきた直後に悲劇は起こったということなのか。

そんな…
そんなこと____


…今ならわかる。帰国した後に聞いて欲しいと言っていた話は、きっと妊娠したことを伝えようとしていたのだろうと。
一人で不安だったに違いない。心細かったに違いない。
それでも、遠い地で頑張る自分の妨げになってはいけないからと、健気に帰国の時を待ち続けていた。
きっと喜んでもらえるのだと信じて。


そんな志保の元へ里香子が訪れ、別れを迫り、…偽りの妊娠を告げた。
その時の彼女の絶望はどれほどのものだっただろう。


結果、子どもまで失って_____