いつかあなたに還るまで



全ては嘘だった。
何もかも、全て。

そんな嘘に狂いそうなほどに悩み、藻掻き、
…そして全てを失った。

描いたとおりに苦悶する様はあの女にとってさぞかし痛快だったことだろう。
自分に服従させるためなら、たとえ命であろうと平然と道具にしてしまう。

「な…ん、で……」

そんな女だとわかっていたはずなのに。
そんな女を利用していたのは、他でもないこの自分自身。
己の欲望に目が眩み、大切なことなど何一つ見ようともせず、人を傷付けることなど省みずに突き進んできた結果がこれだ。


人間の形をした悪魔はお前じゃないか。


そんな男が今さら幸せになりたいだなんて、そんな虫のいい話があるはずがないのだ。

全ては己のしたことが返ってきただけのこと。


___志保を傷つけたのはこの自分。


あらためて突き付けられた罪の重さに、目の前が真っ暗に染まって何も見えなくなった。