あれから意識を失った志保が病院に運び込まれると、その後大量に出血をし、やがて医師から流産したことを告げられた。
志保が再び目を覚ましたのは、全ての処置が終わった後のことだった。
信じられない。
信じたくなどない。
けれど残酷な現実は容赦なく志保を打ちのめした。
初期流産は決して珍しいことではないこと。その原因は胎児側の遺伝子にあり、母体がいくら努力をしたところでそうなる運命を避けられないケースがほとんどであること。
だから決して自分を責めるようなことはしないようにと。
茫然自失としている志保に果たしてその声は届いているのかどうか。
時折痛ましげな声色になりながらも、医師は最後まで毅然と説明をしていった。
思いの外出血が多く、貧血の症状が見られると診断された志保は大事をとって一日だけ入院することとなった。
ベッドに横になってからというもの、何も話さず、眠らず。
…そして涙一粒流すことなく。
ただぼんやりと窓の外を見つめていた。
時に志保を一人にするべく病室の外で待機したり、時に彼女のすぐ傍に座って見守ったり。宮間は片時も志保の傍を離れようとはしなかった。
志保がその宮間の存在に気付いたのですら、おそらく今この瞬間なのだろう。

