いつかあなたに還るまで


怒りと悔しさで爆発しそうだったが、この後の展開を考えて里香子は平常心を取り戻していく。そうしてふぅっと軽く息を吐き出すと、何故か勝ち誇ったように口元を緩めた。

「…ここで身を引いてもらった方が本当にあなたのためだと思うのだけど」
「申し訳ありませんが、それはできません」
「…そう。それじゃあ仕方ないわね。あなたが嫌だって言ったんだから、聞いて後悔しないでね?」
「……」

彼女は一体何を言おうというのか。
まさかとは思うけれど、聞くに堪えない罵詈雑言とか?
でもある意味それで済むなら簡単なものなのかもしれない。

そんなことを頭の中で巡らせていると、里香子がおもむろに自分のお腹に手をあてる。一度目線をそこに下げると、やがて顔を正面に向けるなり口にした言葉に、志保の頭は一瞬にして真っ白に染まった。






「 私、隼人の子どもを妊娠してるの 」