隼人から連絡が来てから数日、その日志保は大学を休んでいた。
前向きになった心とは裏腹に、相変わらず体調が優れないからだ。
これがいわゆるつわりというものなのだろうかとも思いながらも、志保を不安にさせているのはやはり下腹部を襲う鈍い痛みだった。
隼人の声を聞いて元気になったのも束の間、じわりじわりとその痛みは続いている。

不安になってネットで色々調べてみたものの、見れば見るほど余計に不安が募るばかりで、何も見ない方が心身のためだと思い、結局は情報を遮断した。

「……」

手に握りしめたスマホをぼーっと眺める。

あの日以降、隼人と直接会話はできていない。帰国前最後の大仕事で忙しいらしく、時差の関係もあってなかなか電話のタイミングが合わないのが原因だ。
その代わり毎日メッセージが入っていて、最後に来たメッセージにはあと三日で帰国できると書いてあった。


本当に、あと少しで会える。


今の志保にとって、それが何よりの心の支えだった。