その夜。
邸が静まり返った後、志保は自室で一人、己の両手を見つめていた。
その手に握られているのは一本の棒。
…あれから。
まさかという予感にこの上なく動揺しながらも、いてもたってもいられず、その足は迷うことなく薬局へと向かっていた。
そこで手に入れた棒状の___妊娠検査薬が彼女の手の中にある。
既にやるべきことは終えている。
後は時間が来るのを待ち、その結果を確認するだけ。
あれからずっと止まらないこの震えが意味することはなんなのだろうか。
この目で確かめるのが怖いのか、それとも___
「…………」
何度も何度も深呼吸をして自分を落ち着かせる。
そうして長い時間をかけて覚悟を決めると、志保は棒を握りしめていた両手をゆっくりと開いていった。
「……!」
それを確認した瞬間、志保の目が零れ落ちそうなほどに大きく見開かれた。

