いつかあなたに還るまで



「…あ!」

病院を出て携帯を取り出すと、隼人からのメールが届いていた。
気が逸るあまりスマホを落としそうになりながら、急いでその中身を確認する。

「わぁ、綺麗…!」

今スイスにいるという彼から送られて来たのは一枚の写真。
どこまでも広がる緑の大地の向こうに雄大にそびえ立つ雪山。
その美しさに、思わず足を止めて言葉もなく見入ってしまった。

そうしてその写真に添えられたメッセージにはこう書いてある。


『 いつか君と同じ景色を見に来たい 』


と。


じわりと視界が滲んでいく。


「…やだ、最近涙腺が緩すぎだよ…」

本当に、自分でも一体どうしてしまったのかと思う。
どちらかといえば自分も感情を表に出すことは苦手で、西園寺の家に入ってからは殊更取り繕うことばかりがうまくなっていたはずだったのに。
彼に出会ってからというもの、自分の知らなかった自分が次から次に顔を出していく。

でもそれは喜ばしい変化だ。
きっと、彼にとってもそうだと信じたい。

「いつか必ず一緒に…」