いつかあなたに還るまで




ゆっくりとシーツに横たえられてからは、全てを彼に委ねた。

少しも恐怖心が湧いてくることはなかった。



敢えて言うならば、幸せ過ぎて怖いと思った。



こんなにも誰かを愛おしいと思ったのも、
こんなにも幸せだと思えるのも、
与えられる痛みすら愛おしく思えるのも。


全ては、あなたを好きになることができたから。




「 隼人さん、好きです… 」




逞しい腕に抱かれながら、何度そう口にしたかわからない。
けれど、もう何も考えることなんてできなくて。
気がつけばそう言葉にしている自分がいて。



「 志保_____ 」



掠れた声で何度も何度も囁かれる自分の名が、とても尊いものに感じた。

ずっとずっと、永遠に聞いていたい。
この痛みも、決して忘れはしない。



あなたが与えてくれたものは、全て_____