いつかあなたに還るまで


本当は部外者が口を出すべきことじゃない。
所詮それは綺麗事に過ぎず、結局は当事者の問題なのだから。
だからどんなに理不尽なことでも黙って見守るしかないんだってわかってる。

わかってるけど…

それでも…


「他人の私がこんなことを言う資格がないのは重々承知しています。でも、どうかるぅちゃんの想いをきちんと受け止めて上げてください!」

「なっ…! あんた何なの?!」

「私はどんな責めでも受け入れます。でもるぅちゃんは…あの子が命がけでお母さんに伝えようとしたことを無視しないでください! 本当に、心の底からお母さんのことが大好きなんです! だから、どうか…どうかあの子を突き放すようなことだけは言わないであげてください…!」

ガバッと頭を下げて必死に訴える志保に、カァッと母親の顔が赤く染まる。
それは人前でこんな辱めを受けることへの屈辱と怒りから。


「っざけないで! 何も知らない赤の他人が何言ってんのよ!!!」


激高した母親の右手が宙を舞う。
顔を上げた志保はそれが何を意味するのかわかったが、逃げることなくただ静かにその瞬間を待った。


パシィッ!!!


直後乾いた音がその場に響いた。