いつかあなたに還るまで


驚く志保に微笑むと、隼人は唇に挟まったままの髪の毛を指で掬った。

「あ…」

何をしようとしてくれていたのかに気付いてカーッとなる。

…恥ずかしい。恥ずかしい。恥ずかしいっ…!
勘違いにもほどがある。いくら前回あんなことがあったからって、私ったら…

「ちなみに僕は楽しみであまり眠れませんでしたけどね」
「……えっ?」
「…さ、そろそろ行きましょうか」
「……」

ほんの一瞬しか見えなかったけど…彼も少し照れていた?
気のせいかもしれないけど、でも…

「……私も楽しみでした」
「え?」

遅れて返ってきた反応に、数歩先を行っていた隼人が振り返る。

「…わ、私もっ、霧島さんに会えるのが楽しみでっ…全然眠れなくて、それでこんな寝坊をしてしまいました」

「……」

言った直後に面白いほどに志保の顔が赤く染まっていく。
顔だけじゃない。衣服から出ている部分は全部と言っていいレベルだ。