「たった半日一緒にいただけですけど、あなたがあそこの子ども達に本当の意味で慕われているのはよく伝わってきました」
「あ、ありがとうございます。たとえお世辞でも嬉しいです」
「あはは、お世辞なんかじゃありませんよ。昔から言うじゃないですか、子どもと動物には裏表がないって。あの子達が志保さんを慕う気持ちは本物です」
「……」
ストレートな言葉に心が震えて泣きたくなる。
なんだか今日は本当に色んな表情を見せられて胸のざわめきが止まらない。いつもの『作りもの』の彼の表情を、ここに来てからは一度も感じることはなかった。それは今も同じだ。
純粋な子ども達には裏表は一切存在しない。
それが自分達へも何かしら影響を与えているのだろうか?
「…もし差し障りがなければでいいのですが」
「…え?」
ピタリと足を止めた隼人が志保を振り返る。シルバーのフレーム越しに見える黒い双眸がじっとにこちらを射貫いたまま。
何を…言われるのだろうか。
「どうしてあそこに行くことになったのか、そのきっかけを聞いてもいいですか?」
「あ…」

