どうやら瑠璃はターゲットを変えたらしく、今度は隼人へと直球を投げる。
「る、るぅちゃん、あのね、」
「うーん、そうだな~。出来ることならおにいちゃんはしたいって思ってるよ」
「えっ!!」
志保を手で制してサラッと答えた隼人に目が飛び出そうなほどに驚く。
「…そうなの?」
「うん。でも結婚は片方だけの気持ちだけじゃできないから。いつかおねえちゃんも同じ気持ちなってくれることがあれば結婚する可能性もあるかもしれないよ」
「へぇ~、そうなんだって。おねえちゃん、よかったね!!」
「…え。えぇっ?!」
「おにいちゃんおうじさまみたいにカッコイイから、もしおねえちゃんとけっこんできないときはるぅがおよめさんになってあげるからね!」
「あはは、ありがとう。でもまずはおねえちゃんに振り向いてもらえるように頑張らないとな」
「うふふ、がんばってねぇ~!」
答えにひとしきり満足したのか、瑠璃の興味はおやつへと戻ってしまった。
嵐のように過ぎ去っていった今のやりとりに、志保は呆然とするばかりでうまくリアクションをとることすらできない。
子どもの会話にただ合わせただけとはわかっていても、これまで一度も見たことのなかった隼人の一面を見せられる度に、情けないほどにドキドキが収まってはくれなかった。

