いつかあなたに還るまで


「わ…すごい熱…」

結局丸ごと一本がぶ飲みしてしまった隼人を再び寝かせて熱を測ると、持参した体温計は39度を超えている。これでは辛いのも当然だ。

「時間が経てば少しはお薬が効いてくると思うので、とにかく今はゆっくり休んでくださいね。まだ食欲はないですよね?」
「はい…あの、志保さん、本当にありがとうございます。ですがこれ以上は本当にうつしてしまうので…」
「私のことは気にされないでください。勝手に押しかけて勝手に世話しているだけ。全て私の我儘でやっていることです。元気になったらいくらでもお叱りを受けますから、だから今は治すことだけを考えてください」

「志保さん…」

「霧島さんには本当に申し訳と思うんですけどまだここにいさせてください。勝手に家の中の物を見たり触れたりしないと誓いますから。…あ、でもお湯を沸かしたりするのにキッチンだけちょっとお借りするかもしれませんけど…大丈夫ですか?」

強引かと思えばどこか自信なさげで。
その何とも言えないアンバランスさにフッと隼人が表情を緩ませた。
その顔が本当に穏やかで、志保の胸がドクンと高鳴る。